グラフィックデザイナー・作家のyouです。
「ドライヤーで乾かしたら、せっかくの模様が消えてしまった」「色が混ざりすぎて、くすんでしまった」という経験はありませんか?アルコールインクアートにおいて、乾かす作業は単なる仕上げではありません。「風で色を止め、理想の模様を固定する」という、まさに描く作業そのものです。
アルコールインクは、乾くその一瞬に最も美しい表情を見せてくれます。その「最高の瞬間」を逃さず定着させるための、風の扱い方をお伝えしますね。
この記事では、アルコールインクアートを「綺麗に、思い通りの模様で」乾かすための具体的なテクニックを解説します。


おすすめの道具
- ヘアドライヤー(冷風・弱があるもの)
- ヒートガン(低温設定ができるもの)
- ハンドブロアー(ピンポイントで動かしたい時)
家庭用のドライヤーを使う場合、強風で乾かすのは厳禁です。風が強すぎると、インクが意図しない方向へ飛び散ったり、繊細なライン(フリンジ)が吹き飛んでしまいます。必ず「冷風かつ弱風」から試してみましょう。
インクが乗って乾いていない場合は、いきなり風を起こすのは汚してしまうことになりますので気をつけることがポイントです。紙のサイズで風を選ぶことも重要になってきます。
かなり大きいサイズのアートを描く場合は、髪を乾かすときに使うような強風でもありですが、周りを養生するなどインクの流れには注意するようにしましょう。
ここで大事なのが描いているアートをしっかり固定しておくこと。
どんな風にも対応できるよう忘れないようにしましょう。

このタイプは以前、100円ショップなどで売っていましたが、今は手に入らないタイプの電動ブロアです。イベントなどの体験などに最適で修理しながら使っています。

ポイント2:模様を縁取る「フリンジ」を出す乾かし方

アルコールインクアートの魅力である、あの白い縁取り(フリンジ)。これを作るには、インクとアルコールの境目に「優しく、一定方向から」風を当てるのがコツです。
外側から内側へ、少しずつ追い込む
広がったインクの外側から、中心に向かって優しく風を当てていきます。アルコールが揮発する瞬間に、インクの粒子が縁に集まり、あの美しいラインが浮かび上がってきます。
インクを描いて伸ばしていく際に湿度や風の流れでインクの広がりが予想通りにいかないっこともあります。
手袋などをはめているときは、指を使ってもいいですし、ゴム性筆などを使って少し調整することもあります。
ゆっくり焦らず自分なりの感覚でインクをコントロールできるといいですね。


ポイント3:ゴールドインクを美しく「沈めない」方法
ゴールドやシルバーのメタリックインクは重いため、放置すると下に沈んでしまい、輝きが鈍くなることがあります。キラリと輝かせるには、「完全に乾ききる直前」の動きが重要です。
ゴールドを表面に浮かび上がらせるには、アルコールがまだ残っている状態で、優しく風を揺らすように当ててみてください。粒子が表面に躍り出て、美しい輝きが定着します。
そして
アルコール(エタノール)はたっぷり使うようにしましょう。エタノールの中にメタリックを落とすしてさらにエタノールで広げるとうまく浮かび上がって広がっていきます。
メタリックの広がりは、偶然の産物です。液の量や色との相性など
表現の仕方によっても何が正解というものはないのです。
後からインクを溶かしてまた広げることもできますし、人によっては、フリンジのラインに筆でメタリックを描く方もいらっしゃいます。
あくまで、エタノールでうまく浮かんで広がればいいですが、様々な方法を試してみてください。

ポイント4:失敗を防ぐ「水平」の維持

模様が完成したと思って放置したら、数分後に模様が流れて変わっていた……という失敗もよくあります。これは、作業台がわずかに傾いているために起こる現象です。
インクの流れは、意外と早いです。実はアルコールインクアートは、思うように描くためには素早くインクを操る必要があります。
水平にするのか?あえて角度をつけてインクを流すのか?
やり方次第で表現の幅が広がります。
乾燥中も「水平」を意識する
アルコールが完全に揮発するまでは、インクは動き続けています。作品を移動させる際はもちろん、乾かしている最中も常に水平な場所に置くことを徹底しましょう。
風でペーパーが動いてしまうこともありますので、マスキングテープなどで抑えるなど工夫をして考え、注意しましょう。
使用する材料・インクやエタノールの蓋は開けておく
いつでも対処できるようにしておくと予期しない広がりを防げたりしますが
アルコールインクアート自体は、偶然を描くアート。
予期しないアートから素晴らしいものが生まれたりもします。
自分が心地よく描いていけるといいですね。


ポイント5:仕上がりを左右する「最後の放置」
表面が乾いたように見えても、用紙の中やパネルとの境目にはまだアルコールが残っていることがあります。すぐに触ったり、保護スプレーをかけたりせず、最低でも数時間(できれば一晩)は自然乾燥させましょう。
描いたあとは、やり切った感はありますが、数日経ってみてみるとこの部分がちょっと気になる!っていうことも無きにしも非ず・・・。
インクアートは、何度でもやり直せるアート。
後日落ち着いてみるとまた違った印象を持つかもしれません。
じっくり自分の作品と向き合ってみましょう。

まとめ 風と仲良くなれば、アートはもっと楽しくなる
綺麗に乾かすためのチェックリスト
- [ ] 「冷風・弱風」の設定になっているか?
- [ ] 外側から内側へ、優しく誘導できているか?
- [ ] ゴールドが輝く「瞬間の動き」を捉えたか?
- [ ] 完全に乾くまで、水平な場所に置いているか?
風を操る感覚が掴めてくると、アルコールインクアートの世界は一気に広がります。最初は思い通りにいかなくても、その「揺らぎ」さえも楽しんでみてくださいね。
風を使いこなせるようになるには、だいぶ時間がかかりました。
今もまだ修行の最中です。
その時の気候・温度・湿度。使用するインクの状態・髪の種類やエタノールが開封したばかりなのか?など様々な要因からアートを描く際の風合いややりやすさは変わります。
今まで様々な紙を使って描いてみて、春夏秋冬、季節を感じる中で思うことは、
気候が寒い冬の方が描きやすいということです。インクが早く乾いてしまうので動作は早く行わなければならなかったり必要なこともありますが、ラインがしっかり出やすいです。
IPAなど防毒マスクを使って描く種類の溶剤を使えば、多少の環境の影響はありますが。
美しいラインは出やすいです。美しいアゲートラインやお花のラインは、IPAを使って描いている方がほとんどです。
私自身が喘息持ちということもあって、私は、市販品で使えるエタノールを使って、ほとんどの作品を描いていますが、そのエタノールでもIPAを使った場合に近いくらい美しいラインを描けます。
やりやすい環境を自分で整えています。
あなたもあなたにあったやり方を探してみてくださいね。
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文字や動画では伝えきれない、ドライヤーの絶妙な角度や距離感。実際のワークショップでは、私の手元をお見せしながら直接レクチャーしています。一緒に風の扱い方をマスターしましょう!
体験では、少しみていただくだけになってしまいますが、実際しっかり学べるのが
プラスワンレッスンです。生徒さんの苦手に寄り添いながら教えていきます。
学んで最初から綺麗にはなかなかいかないもの。
うまくいかなくても 少しずつ自分らしい描き方ができるようにできるようになるといいです。

次回記事は、こちら。中級の方も初級の方も安心に学べる教室(静岡県・磐田市)

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アルコールインクアートは、偶然に広がる色や模様を楽しむ新感覚アート。
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