デザインの美しさは、画面上だけでなく「手に取った瞬間の質感」で完成すると信じている、デザイナーのyouです。
「パソコンの画面上ではすごく素敵にできたのに、印刷してみたらなんだか安っぽく見えてしまう……」「ネット印刷の用紙選びで、コート紙・マット紙・上質紙など種類が多すぎてどれを選べばいいか分からない!」と悩んだことはありませんか?
グラフィックデザインにおいて、用紙選びは単なる「最後の仕上げ」ではありません。選ぶ紙の手触り、光沢感、厚み、インクの発色によって、デザインが持つ世界観やブランドの高級感、信頼性が何倍にも変化する『デザインの半分を左右する重要な要素』です。
用紙ごとの特徴や相性を知っておくことで、狙い通りの世界観を表現できるようになり、お客様の手元に届いた瞬間に「わぁ、素敵!」と感動してもらえる印刷物を作れるようになります。
デザインデータに命を吹き込み、手に取る人の五感に訴えかけるのが『紙』の持つ魔法の力なんですよ。
この記事では、グラフィックデザイナーの視点から、印刷でよく使われる基本の用紙の特徴と、デザインの目的・世界観に合わせた失敗しない用紙選びのコツを徹底解説します!

基本:これだけは知っておきたい!印刷用紙の「3つの大分類」
まずは、ネット印刷や印刷会社で最も頻繁に使われる「基本の3大用紙」の特徴とインクの発色率を押さえましょう。

1. コート紙(ツヤあり・発色重視)
表面に塗料が塗られており、ツヤツヤとした光沢感があるのが特徴です。インクが紙に染み込みにくいため、写真やイラストの発色が非常に鮮やかで、黒や濃い色がキュッと引き締まります。
【向いている用途】 イベントチラシ、商品カタログ、写真メインのフライヤー、ポスター
2. マットコート紙(ツヤ消し・上品さ重視)
コート紙の表面の光沢を抑え、落ち着いた質感に仕上げた用紙です。インクの乗った部分だけほのかなツヤが出て、文字が読みやすく高級感のある仕上がりになります。
【向いている用途】 会社案内、ショップカード、上品なパンフレット、作品集
3. 上質紙(ツヤなし・手触り&書き込み重視)
表面に塗料が塗られていない、コピー用紙やノートのような自然な質感の紙です。インクが紙の繊維に染み込むため、色が少し落ち着いた(沈んだ)素朴で温かみのある印象になります。ボールペンやスタンプでの書き込みがしやすいのも特徴です。
【向いている用途】 スタンプカード、注文用紙、名刺、ナチュラル系のチラシ・ショップカード

発展:作品やブランドの価値を高める「特殊紙・ファンシーペーパー」

基本の3種に加えて、個性を際立たせたい場面で大活躍する「こだわり用紙」をご紹介します。
1. ヴァンヌーボ / アラベール(高級感と風合いの両立)
紙本来のざらっとした温かい風合いを持ちながら、印刷部分にはしっかりインクが乗って鮮やかに発色する最高峰のファンシーペーパーです。ブランドのこだわりや、アート作品の質感を忠実に再現したい時に最適です。
私が一番おすすめする紙です。
2. クラフト紙(レトロ・オーガニック・ナチュラル)
未晒しのブラウン(茶色)が特徴の用紙です。独特の風合いがあり、黒一色(モノトーン)で印刷するだけでもおしゃれなレトロ感やオーガニック感を演出できます。
3. トレーシングペーパー(透け感・幻想的な演出)
向こう側がほんのり透けて見える半透明の用紙です。ショップカードの帯にしたり、アート写真の上に重ねたりすることで、デザインに奥行きとレイヤー感を生み出すことができます。
書く印刷会社には、紙のサンプルがあります。印刷に出す際は、サンプルとその印字の色合いなどを確かめながら制作していくといいですよ。
一般的に上質など質感があるものは、インクが若干沈むような色合いにはなりますが、紙の持つ雰囲気と合わせながら選ぶといいです。
広告などコート紙がよく使われます。ツルツルした紙になります。
お好みでマットコート(艶消しタイプ)など、私はおすすめしています。
コート紙に比べると落ち着いた雰囲気になるので安っぽい仕上がりにはなりません。紙の種類と合わせて紙の厚みも大事です。用途に応じた紙の厚さを選ぶようにしましょう。

見落とし厳禁!「紙の厚み(kg表記)」の選び方

用紙の種類と同じくらい重要なのが「紙の厚み」です。印刷会社では、紙の厚さを「kg(連重:用紙1,000枚の重さ)」で表記します。数字が大きいほど厚い紙になります。
用途別・おすすめの紙の厚み目安
- 73kg〜90kg(薄手): 一般的な折込チラシ、フライヤー、パンフレットの本文など。大量に配布・折りたたむものに最適。
- 110kg〜135kg(中厚): しっかりしたポスター、リーフレット、会社案内、商品カタログの表紙など。手に取った時に程よい安心感がある厚み。
- 180kg〜220kg(厚手): ショップカード、名刺、ポストカード、個展の案内状など。折れ曲がりにくく、手に残る上質な重厚感を出せる厚み。
コストを抑えて作るのがkg数が少ないもの。こちらは薄いため大部数印刷するようなチラシなどに使われます。クオリティなどを重視すると90kgくらいの用紙を使うことをお勧めします。
名刺などは、カード入れにしまったりしますのである程度の厚みが重要になります。参考を見ながら実際に紙に触れて確認するとイメージしやすいと思います。
紙の種類によって厚みにも若干の差があります。テストしながら印刷のノウハウを身につけてくださいね。

実践:失敗しない!ネット印刷での「用紙選び」3ステップ

実際に印刷を発注する際に失敗を防ぐためのステップです。
- ペーパーサンプル(用紙見本帳)を取り寄せる: 大手のネット印刷会社(グラフィック、プリントパック、ラクスルなど)では、無料で用紙サンプルを送ってくれます。必ず手元で質感と発色を触って確認しましょう。会社によっては有料の場合もあります。必要な場合は、事前に取り寄せましょう。(最近はポイントでの交換などのサービスなどもあります)
- デザインの「主役」を考える: 「写真やイラストの鮮やかさを魅せたい(コート紙)」のか、「文章の読みやすさと落ち着きを出したい(マット紙)」のか、「手触りの温かみを伝えたい(上質紙・ファンシーペーパー)」のかを整理します。
- 文字の大きさとインクの沈みを考慮する: 上質紙やファンシーペーパーを選ぶ場合、インクが紙に染み込むため、小さな文字や細い線が少し太く見えたり、色が暗く沈んだりすることがあります。文字サイズや線の太さに少し余裕を持たせましょう。

まとめ 手に取った瞬間の「心地よさ」をデザインしよう

印刷用紙選び・重要チェックリスト
- [ ] デザインの目的(発色重視か、質感重視か、書き込み用か)を明確にしたか?
- [ ] 用途に合わせた適切な「紙の厚み(kg数)」を選べているか?
- [ ] 印刷会社のペーパーサンプルで実際の「手触り・光沢感」を確認したか?
- [ ] 上質紙などの沈みやすい紙を使う場合、色のトーンや文字サイズを調整したか?
- [ ] 用紙の風合いとデザインの世界観が一致しているか?
画面の中でどれだけ完璧なデザインを作っても、それが最終的にどんな「紙」に印刷されるかによって、人に伝わる熱量は大きく変わります。
指先から伝わるサラッとした質感や、光を柔らかく反射するマットな上品さ。紙にこだわった印刷物は、デジタルにはない「ずっと手元に置いておきたくなるぬくもり」を届けてくれます。
ぜひ、あなたの大切なデザインにぴったりの用紙を見つけて、手に取った人が思わず笑顔になるような素敵な印刷物を形にしていってくださいね!
あなたを印象付けるもの「名刺やSHOPカード」は、あなたの顔になります。
たくさん配りたい場合は、コストも考えます。しかし、自分が選びたいデザイン・紙を選んでいきながら進めていくのはとても楽しいもの。
わからないとは言わず、お近くのデザイナーさんに是非聞いてみてください。
紙を演出するものはたくさんあります。紙質はもちろん、エンボス加工・箔押しやPP加工や加工もさまざまです。
加工することでよりコストも上がっていきますが、枚数によって金額を考えながら
あなただけの紙選びをしてみてくださいね。
次回記事・
グラフィックデザイン・カラーユニバーサルデザイン配色を極める4 原則

drops.designでは、初めの一歩を応援しています。ホームページから楽しめるメニューを発信中です。
広告デザインやアルコールインクアートを主とした教室を運営している弊社では
デザインに興味を持つことから始まり、使用しているソフトなどどうデザインに活かしていくかのデザインの教室も行っております。
机ひとつのスペースで、パソコンを使って表現できる世界の大きさ。
今では、簡単にデザインできるcanvaなどのデザインアプリも多くなってきました。その中で同じようなデザインに埋もれないあなたらしいデザインの作り方教えていきます。
ホームページでは、様々な用途のデザイン例を閲覧できます。デザインの新しい形・新たな制作物へのお問い合わせもお気軽に。

アートの教室
drops.designでは、2歳のお子さまから80代まで、
300名以上の方がアート体験を楽しんできました。
気軽に持ち歩けるキーホルダーや会社で使えるタンブラー、飾って楽しむインテリア作品など、メニューは豊富。
季節や会場に合わせた体験を随時開催しています。
最新スケジュールや予約はホームページからご覧ください。
あなたも、色と偶然が織りなすアートの世界へ。
。.。:+* ゚ ゜゚ +:。.。:+ ゚ ゜゚ +:。.。.。:+ ゚ ゜゚ *+



